イメージ画像

スポーツの秋 Ⅱ

マラソン大会に行ってきました。未就学児の部に息子が参加したのです。某公園内の広場(園内に牧場などもある、かなりでかい公園です)をメイン会場にして、大人から子供まで、いろいろな種目がありました。

インターネットで見つけたこの大会、いざ会場に到着してみると、想像していた以上に本格的な大会の雰囲気。私も妻も、町内運動会の延長のようなものと軽く思っていたので、唖然です。場違いな所に来てしまったのではないかと、気後れしてしまいました。

私たち親子は、ジーンズにTシャツという服装でしたが、ほとんどの参加者がスポーツウェア。子供に伴走する親のほとんどが、ジャージにゼッケンをつけていましたので、自分自身も他の種目に選手として参加していたのでしょう。

ネットでは、未就学児の部の距離が詳しく書かれてありませんでしたので、「マラソン大会といっても、しょせん子供のかけっこ。200~500メートルくらい走るのかな」なんて思っていたら、1キロでした。競技場をスタートし、園内ハイキングコースの一部を折り返して、再び競技場に戻りゴール。親の伴走OKとのこと、地図で見ただけのコースをまだ4歳の息子がいきなり一人で走るのは無理と思い、私も一緒に走ってみました。

パアーンとスタートのピストルがなった瞬間、ものすごい勢いでみんな走り出しました。正直、そのスピードに、一瞬「えっ」と足が止まりそうになりました。「子供のかけっこだろう」なんて思っていたのは大間違い。ビデオカメラを回していた妻も、目の前を猛スピードで駆け抜けていくちびっこランナーたちに、とても驚いたと言っていました。周囲の父兄たちからも、どよめきが起こっていたそうです。

息子は、初めての本格的な雰囲気の中、自分より大きな子にまじって必死でした。いつもの、遊び半分の走りは通用しません。初めのうちは「みんな速いね。すごいね」などと言いながら走っていましたが、後半はもう言葉を発する余裕もなし。ただ無言で、それでも歩くことなく、一生懸命走っていました。コースの途中にはゆるやかなアップ・ダウンがあり、私も汗だくになりました。

いよいよゴール目前、競技場に入る最後の下り坂。息子はズベッと派手に転倒しました。その隙に、後ろからダダーッと追い抜かれてしまいました。最初から最後まで、私は息子の手を引かずに走りました。一人で立ち上がり、なんとかゴールへ向かう息子。やっと到着したゴール地点で、息子は悔しそうにうつむいていました。

ビデオカメラを回していた妻が言うには「多分200人くらい走っていた中で、50番目くらいでゴール付近に戻ってきたんだけど、転んでいる間に20人くらい抜かれちゃってた」そうです。息子が転んだときには、妻の周囲のママさんたちからも「あーっ、転んじゃった!頑張って、頑張って」と声が上がっていたそうです(全く気付きませんでしたが、有難いですね)。

ゴール地点での、カメラを手にした妻のインタビュー。息子は、血が出ている両膝を気にしながら「また来年、頑張ります」と答えていました。

完走者全員にメダルが渡されました。帰りの電車でも、夜寝る時にも、息子はメダルを首にかけ、時々、大事そうにさすっていました。転んで抜かされ悔しかったと同時に、完走できた喜びも大きかったようです。

このページの先頭へ