IT化時代の人事・労務管理
注意点について、Q&Aで解説
□ 求人募集をする際に、Eメールで労働条件を明示してもいいですか?原則は、書面により明示しなくてはなりませんが、次の条件を満たせば、Eメールによることも容認されています。
1 応募者がEメールによることを希望した場合
2 応募者が、Eメールを印刷することにより、書面を作成することが可能であること
!ただし、Eメールの情報が、応募者のパソコンのファイルに書き込まれた時点で初めて労働条件の情報が応募者に到達したとみなされるので、注意する必要があります。
□ ホームページによる求人募集は可能ですか?
ホームページにより、求人募集を行うことは問題ありません。ただし、常に最新のデータにしておかないと、トラブルのの原因になるので、注意してください。
□ 雇入れの際の労働条件の明示は、Eメールで行ってもよいでしょうか?
労働基準法により、労働条件については労働者に対して書面の交付による明示が必要になります。したがって、Eメールによる雇入れ時の労働条件の明示はできません。
□ 電子データ(パソコンなど)により就業規則の管理をすることは可能ですか?
従業員各自にパソコンを貸与して、それによって電子化された就業規則にアクセスできるシステムを設置することができれば、就業規則を電子化することも可能です。
!労働基準監督署への届出は、書面に印刷して行う必要があります。
□ 労働者名簿、賃金台帳の電子データによる管理は可能ですか?
次の1、2を両方とも満たすことができれば可能です。
1 法定必要記載事項を具備し、かつ、各事業場ごとにそれぞれを画面に表示し、印字するための装置を備え付けるなどの措置を講じていること
2 労働基準監督署の調査などで、労働者名簿、賃金台帳の閲覧、提出等が必要とされる場合は、すぐに必要事項が明らかにされ、かつ、写しを提出できること
□ Eメールでの退職届は有効ですか?
Eメールでの退職届も有効ですが、トラブルを避けるためにも、書面で提出してもらうほうがよいといえます。
□ 三六協定などの労使協定を締結する際の労働者の代表について、Eメールによって選出することは可能ですか?
労働者の任意性が確保されている民主的な方法(会社が関与していない)であれば、Eメールによる選出も可能です。
□ Eメールによる有給休暇の届出については、認めなくてはいけないのでしょうか?
就業規則で、どのように規定しているかがポイントになります。
例えば、就業規則で、「有給休暇をとる者は、前日の午前中に所定の用紙により所属上長に申出が必要」と規定している場合は、認める必要はありません。
□ 従業員にパソコンを貸与する際に、どのようなことに注意したらよいですか?
就業規則で下記事項を定めておくとよいでしょう。
1 目的外の使用を禁止すること
2 使用方法を制限すること(社外での使用を禁止すること等)
3 会社による閲覧権を規定すること(業務上の必要があれば、従業員のパソコン内のデータを承諾なしに閲覧できること等)
4 システムを変更することを禁止すること(無断でソフトウェアをインストールすることにより、ソフトウェアの著作権侵害を防止するためにも必要)
5 パスワード等を厳重に管理すること
□ インターネットを私的に利用した者から、回線使用料を給与から控除することはできますか?
基本的には、給与から控除することはできません(賃金の全額払の原則に違反)。別途、請求するようにしてください。
なお、このようなことを防止するためには、就業規則で、インターネットの私的利用を禁止することを規定し、私的利用を行った者に対しては、何らかの制裁処分をすることが必要です。
